暖かいオフィスでのデスクワーク。昼食を済ませた午後は眠気と戦いながらの仕事。

そんな人も少なくないのではないでしょうか。
中には「睡眠時間は足りているはずなのに。」と感じている人もいるでしょう。

睡眠は時間だけでなく、質の善し悪しも大きくパフォーマンスに影響します。
睡眠の時間や質はストレスや食事、運動など様々な要因によって影響を受けますが、今回は最も大きく影響する自律神経から睡眠を考えてみたいと思います。

冬は交感神経が優位になる。

睡眠は副交感神経が優位になることで、質の良い睡眠が得られます。
しかし冬は気温が下がる為、体は体温を維持しようとして交感神経が優位になりがち。

そこに座りっぱなしというワークスタイルが、大きなストレスとなり更に交感神経を刺激してしまいます。

人は動かないだけでストレスを感じる。

日本の刑罰に「懲役」と「禁固」というものがありますが、どちらも刑務所での生活であることは変わりません。
この二つの違いは「懲役」には金属製品、木工品の加工や靴や衣類の制作などの刑務作業が課せられますが、「禁固」は刑務作業が課せられません。
しかし禁固刑でも希望すれば刑務作業をすることが出来ます。

そして禁固刑を受けた受刑者のほとんどが刑務作業を希望するのです。

一見、「仕事をしなくていい方が楽なのでは?」と思われがちですが、仕事をしなくても横になったりすることは禁じられているため、ただただジッと座って1日を過ごさなければならないのです。

そうです。

ジッと1日座っていることが大きなストレスになるので禁固刑を受けても、自ら希望して作業する受刑者が多いのです。
そう考えると座りっぱなしのデスクワークをしているだけで、大きなストレスになるというのも理解出来るかと思います。

ため息をついても幸せは逃げない!?

昔から「ため息をひとつつくと、幸せがひとつ逃げる。」なんて言われていますが、実はため息はストレスによって交感神経が過度に興奮している状態を緩和するための体の反応です。基本的に自律神経は自分の意思でコントロール出来ませんが、唯一自分の意思で自律神経に働きかけることが出来るのが「呼吸」です。

浅い呼吸は交感神経を刺激し、深くゆっくりとした呼吸は副交感神経を優位にしてくれます。

より良い睡眠を得るために出来ること。

①姿勢を正す。

デスクワーカーに多い猫背。猫背になると肺が圧迫されるため、どうしても呼吸が浅くなったり、口呼吸になったりします。仕事中は意識して背筋を伸ばしましょう。

②帰宅時にゆっくりとした呼吸を意識して歩く。

家まであと100mくらいという地点からでも構いません。歩みを5歩進める間は息を吸い、次の5歩は息を吐く。ゆっくりとした呼吸を意識しながら歩いてみて下さい。

③ 仰向け大の字で深呼吸

就寝時は仰向け、横向き、うつむき、入眠しやすい体勢は人それぞれかと思いますが、まずは仰向け大の字で横になり、ゆっくりと深呼吸をして下さい。
仰向け大の字になると体の筋肉の全てを伸ばすことができ、これもまたストレス緩和作用があります。そして深呼吸で副交感神経を刺激すつ。

まずはこのあたりから初めてみてはいかがでしょうか。

ちなみに…RAND Europeの2016年の試算では睡眠不足のパフォーマンス低下による日本の経済的損失は約15兆円とのこと。

「ちょっと寝不足続いてるな…」では済まされない数字ですね。