太り気味の人が昼食後ウトウトと居眠り。
まず想像されるのが睡眠時無呼吸症候群ですよね。

睡眠時無呼吸症候群の大多数を占めるのが閉塞型と呼ばれるもので、その1番の原因は舌にあります。
舌は大きくて重さもある筋肉の塊なので、仰向けで寝ていると重力に負けて喉の奥に落ち込みやすくなります。

そこに肥満で咽頭(喉の奥)や気道が狭くなったり、扁桃腺が大きい人は舌が完全に気道を塞いでしまい、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症するのです。

「りんご」は危険信号!?

閉塞型睡眠時無呼吸症候群の人に多いのが、「リンゴ型」と呼ばれる内臓脂肪型肥満。

リンゴのようにお腹周りが太いのが特徴的。

ちなみに最近の体組織計で「内臓脂肪レベル」と表示されていることが多いようですが、「内臓脂肪レベル1」とは内臓脂肪を布のように平面に伸ばした場合、10cmの面積になる場合「内臓脂肪レベル1」となります。この数値がレベル10以上ある場合を内臓脂肪型肥満と呼びます。1mの脂肪が折り重なって腸の周辺についているのを想像すると、少しゾッとしますよね。

そしてもう一つの「りんご」はりんごのような赤ら顔。
健康的な頬の赤みではなくいつもアルコールを摂った時のような赤い顔をしている場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

何故なら睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠中に酸素が不足するので不足分を補おうと酸素を運搬するヘモグロビンを含む赤血球が増加する多血症を発症するため、赤ら顔になると考えられています。

 

脂肪細胞自体が眠気の原因に

もちろん肥満気味の人の100%が閉塞型睡眠時無呼吸症候群だというわけではありません。
しかしそれでも日中の眠気に襲われる場合があります。

最近の研究によると体重増加により、肥満細胞が増えると、TNF-αやIL-6と呼ばれるサイトカインの濃度が高くなるのが明らかになっていて、これらのサイトカインがかなり強い眠気をもたらすことが分かっているのです。

脂質の過剰摂取も眠気を誘う!?

まだ詳しいメカニズムは分かっていないものの、BMI平均24(BMIは25以上が肥満)というぎりぎりのラインの人を対象にした研究では脂質を多く摂取すると眠気が強くなるという結果も出ています。
以前、血糖値を急激に上げるような糖質中心のランチは血糖値スパイクをおこし眠気を誘うという記事を書きましたが、これに合わせて脂質まで!?となると、よりよいパフォーマンスで午後を過ごそうとすると、揚げ物、炒め物、丼ものやカレーライスや麺類は全てランチに不向きだということになってしまいますね。

しかし、そのあたりは神経質にならず、水溶性食物繊維の多い海藻などをまずしっかりと摂って脂質の吸収や血糖値の吸収を抑えて、ゆっくり良く噛んで食べることを意識することから始めてみるのもいいかもしれません。

 

※BMIとは肥満度の目安とされるもので体重(kg)÷身長(kg)÷身長(kg)で算出できます。