この冬はワクチンの不足から始まって、例年よりもインフルエンザの話題が多いように思います。
そのインフルエンザも今からが感染のピークだとか。

そこで今回はインフルエンザの予防法についてご紹介します。

厚生労働省の啓発ツールから消えた「うがい」

風邪やインフルエンザの予防と言えば、反射的に「うがい・手洗い」と出てくる人も多いかと思います。

しかし厚生労働省のHPにあるインフルエンザ予防啓発ツールを見てみると、確かに手洗いはその手順などが詳しく掲載されていました。しかし「うがい」の表示が見当たりません。その代わりに「咳エチケット」という文字が。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/inful-poster25c.pdf

要するに咳やクシャミをする時は周囲の人からなるべく離れるなり、鼻と口を覆うなりしましょうというもの。
では何故、何十年も言われ続けてきた「うがい」が削除されたのでしょうか。

実はうがい薬は喉の粘膜への刺激が強く、赤く腫れてしまってからうがい薬でうがいをすると、逆に粘膜を傷つけ炎症を起こしてしまうことも多いのです。
また、水やお茶でのうがいでも咽頭まで入り込んだウイルスを取り除くことが出来ないことも挙げられます。

うがいよりも緑茶を飲もう!

2015年10月にアメリカの栄養学専門誌「The Journal of Nutrition」で発表された調査結果によると、1日2杯緑茶を飲むとインフルエンザ発症率が38%減少、1日3杯~5杯緑茶を飲むとインフルエンザ発症率が46%も減少したというのです。

何故、緑茶でのうがいよりも飲む方が良いのでしょうか。

それは緑茶の有効成分であるカテキンが喉の奥にあるウイルスまで届くこと、そして飲み込むことでウイルスが胃酸に触れて死滅することから、うがいよりも飲む方がいいということです。

ただしここで気をつけなければならないのは、カテキンが多いほどいいからと言って高濃度カテキンの飲料に走らないこと。
カナダ、アメリカ、イタリアなどでは高濃度カテキン飲料が原因で肝障害を起こしたという報告があり販売中止になったり、注意喚起の表示がされたりしています。

手軽さに踊らされて、ペットボトル飲料を飲むよりも急須で入れた暖かい緑茶を飲むことが理想的だと言えるでしょう。