今年の冬は3月下旬並みの陽気になったり、都心部でも雪が積もるなど寒暖差が大きくなっているようです。

グッと冷え込んだ日は1日の仕事を終えて帰宅するとグッタリ。

そんな経験はないでしょうか。

「寒い日は体に力が入るから疲れる?」確かにそれもありますが、実はその疲労感。
「寒暖差疲労」と呼ばれる現代ならではの症状なのです。

そこで今回は寒暖差疲労について原因と対策をご紹介したいと思います。

体温調節には膨大なエネルギーが消費される

私たちの体は暑ければ大量の汗をかき気化熱で体温を下げ、寒ければ毛穴を閉じたり体を震わせたりして体温を上げる

「体温調節機能」というものがあります。

その働きに使われるエネルギーは安静時でも1時間あたり約72kcalだとも言われており、気温が下がれば体温を維持するために、更に多くのエネルギーが消費されます。

ちなみに72kcalの消費というのは、体重60kgの人が10分ジョギングするのと同じくらいの消費量にあたります。
まずこうしたエネルギー消費の増加が疲労の原因とひとつとして挙げられます。

寒暖差で混乱する自律神経

ストレスというと「悩みや不安」といった精神的ストレスを思い浮かべる人も多いようですが、実は寒さや暑さと言った刺激も肉体的ストレスとなります。
エアコンのきいた室内で暖かく過ごし突然、10度を下回る寒い屋外に出る。
車まで、駅まで、駅から自宅までなどの短い時間、寒い場所にいたかと思ったらまた暖かい室内へ。

エアコンが普及した今の時代では当たり前の日常ですが、体は寒さを感じると交感神経が刺激され心拍を増やし、血管を縮小してより早く血液を全身に送り体温を上げようとします。

そして暖かい場所に入ると、副交感神経が刺激され心拍は緩やかになり、血管も拡張します。
その温度変化や時間的な間隔が短いと体温を上げるべきか否かで自律神経が混乱してしまうのです。

寒暖差疲労の症状とは

寒暖差疲労の症状は、疲労感だけでなく肩から首にかけてのコリ、腰痛、頭痛、自律神経の乱れから、顔のほてりやめまい、手足の冷え、食欲不振や睡眠障害にまで至ります。
そしてイライラしたり落ち込みやすくなったりと、いわゆる「冬期うつ」と呼ばれる症状にもつながっていくのです。

バカに出来ない寒暖差疲労。その対策法
まずは調節の出来る衣服で室内で暑さを感じないようにすること。
ヒートテックなど暖かさを増す下着よりも、カーディガンやベストなど脱ぎ着しやすいものがいいでしょう。

そしていわゆる「温活」と呼ばれる、体を温める食事をしたり38~40度の湯温で10分以上しっかり体を温めるような入浴をするといいでしょう。
この場合、半身浴よりも首までしっかりつかれる全身浴をお勧めします。
食事や入浴で体温を高く保つサポートが出来れば、自律神経もそこまで忙しく切り替わる必要がなくなります。

ただし、入浴時には脱衣所を暖めるなどして、日本では交通事故死の4倍とも言われるヒートショック死を予防することも忘れないで下さいね。