お盆休みが終わりと蒸し暑さが相まって、憂うつな気分で出社。
午前中は頭がボンヤリして働かない。

そんな時は自立神経の乱れを真っ先に疑います。
休暇中の夜更かしや朝寝坊が原因なので、一週間もすれば元に戻るでしょう。

しかし憂うつな気分が3週間以上続き、気力や集中力の低下を感じたら注意が必要です。

先月、第15回日本うつ病学会(7月27日~28日)において、男性更年期とうつ病の関係についての発表があったので、今回ご紹介します。

 

男性にもある更年期障害

更年期障害といえば女性特有の症状だと思われがちですが、近年、男性ホルモンであるテストステロンの減少に起因する男性更年期障害に注目が集まっています。
今回、うつ病学会で発表した順天堂大学大学院教授の堀江氏によると、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が減少すると、筋力の低下、疲労感、ほてり、発汗、性機能の低下といった体の症状に加えて、不安や睡眠、集中力の低下などの精神症状も現れるそう。

テストステロンは意欲、行動力、社会性などの男性の精神面に密接に関係しており、更年期にさしかかってテストステロンの分泌が減少すると、こうした「はつらつさ」が失われてうつ病のリスクが高まるとのこと。

同氏が行った研究では、40歳~65歳の男性をうつ病群と健康群に分けてテストステロンの分泌量を調査したところ、うつ病群の人達は健康群の人達に比べてテストステロンの分泌量が少なかったということです。

 

姿勢の矯正でテストステロンは増加する

2010年に男性をゴリラのように胸を張った姿勢と、前屈みの姿勢の2群に分けてホルモンの分泌量を比較してみると、ゴリラのように胸を張った姿勢をしたグループでは優位にテストステロンの分泌が増えたこと、そしてストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌は減少したそうです。(Psychol Sci 2010; 21: 1363-1368)

最近、座りっぱなしのリスクについての話題が増えているようですが、デスクワーカーなど座っている時間が長い人は、猫背になりやすいのでテストステロンの分泌やコルチゾールの分泌にも影響が出やすくなります。

デスクワークをやめるわけにはいかないでしょうから、座るときの姿勢には気をつけましょう