多くの人は「日本人は外国人と比べて臭くない。」と思っているはずです。

確かに“体臭”はさほど強くないのですが、外国人からすると“口臭”が強いという認識が否めません。
2017年パナソニック株式会社が男性ビジネスパーソンの「口腔ケア」について調査をした結果をもとに今回は口腔ケアと口内フローラが及ぼす影響についてご紹介します。

 

7割が「他人の口臭」が気になったと回答

パナソニック株式会社が20~40代の男性ビジネスパーソン500名を対象に口腔ケアについての意識・実態調査をしたところ、ビジネスシーンで「他人の口臭」が気になったと答えた人は72%にものぼった一方、ビジネスシーンで他人に「自分の口臭」を指摘されたことがあると回答した人は29%に留まっています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000008708.html

 

なぜ、日本人は口腔ケアに関心が低いのか?

日本は先進国にもかかわらず、口腔ケアへの意識はかなり遅れているのは、日本人の歯周病罹患者が80%にものぼることを見ても明確です。

そこには日本人は欧米人のように初対面の人と顔や体を寄せ合うキスやハグの文化がなく、パーソナルスペースが広いことも関係しているのでしょう。
他人との距離が遠ければ自分で気づきにくい口臭をさほど強く気にする必要もなく、現代まできてしまったように思います。

 

口腔内の細菌が最も多い時間帯

 

一昔前は「食べてすぐ歯磨きをしないと虫歯になる。」と言われていましたが、今では「歯磨きは食後20分経過してから。」と言われています。
これは食事に含まれる酸によって歯の表面のエナメル質が柔らかくなり、その回復には20分かかることが分かっているからです。

そして食後直ぐの口内は実は大量の唾液によって細菌が洗い流されキレイな状態であるのです。

では口腔内の細菌が最も多い時間帯はというと、寝起き直後なのです。

睡眠中は唾液の分泌も少なくなり、菌の繁殖が非常に活発になります。
その時の菌の密度はなんと便以上。そうです。一番大切なのは朝起きすぐの歯磨きです。

朝食後に歯磨きをする人も未だにいるようですが、それでは大量に繁殖した細菌を朝食と一緒に体内に送り込んでしまう結果になるのです。

 

生きたまま腸まで届く!?

 

「生きたまま腸まで届く」これは腸内で有用なビフィズス菌などの有用菌に限らず、歯周病菌にも言えることです。
以前から、歯周病菌と糖尿病、動脈硬化、胃炎など全身疾患との関係は指摘されていました。

そして今年の6月の「Gut2018年オンライン版」に報告された研究によると口腔内のF.nucleatumという菌が大腸ガン組織に移行し感染していることが示唆されたとのこと。

https://medical-tribune.co.jp/news/2018/0629514842/

日本人のガンでも大きな割合を占める大腸ガン、そして日本人の8割が罹患しているという歯周病。
口臭だけでなく全身の健康を考えても口腔ケアへの意識の高まりが必要だと思います。

まずは朝起きてすぐの歯磨きを習慣化することから始めてみてはいかがでしょうか。