ここ数日、毎日のようにクリスマスイルミネーションの点灯式のニュースが流れていますね。

そろそろスケジュールに忘年会の文字が入っている人もいるのではないでしょうか。

アルコールを飲む機会が増えるシーズンになると必ず警鐘を鳴らしているのですが、今回も飲む機会の多い人、アルコールが好きな人にとっては耳の痛いお話です。

 

60万人調査の結果は……。

高所得国19カ国で延べ60万人を対象にアルコール摂取量と健康への影響を調査した結果、少量の飲酒は心筋梗塞のリスクを下げることが確認されました。
しかし脳卒中や大動脈瘤、致死性の高血圧性疾患のリスクを有意に上昇させ、総合的には寿命を縮めていると報告されています。

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)30134-X/fulltext

 

同研究による40歳時点の平均余命

純アルコール摂取量が週に100g以下⇒影響なし

純アルコール摂取量が週に100g~200g⇒6ヶ月の余命短縮

純アルコール摂取量が週に200g~350g⇒1~2年の余命短縮

純アルコール摂取量が週に350g以上⇒4~5年の余命短縮

 

※純アルコール計算式  お酒の量(ml)×(度数(%)/100)×0.8

幸い純アルコール摂取量が週100g以下では影響がないとの結果が出ているものの日本人は世界中で最もアルコール耐性が低いとも言われており、数千年をかけてアルコールの弱い人が増えるような進化をしてきたという研究発表もあります。

https://www.nature.com/articles/s41467-018-03274-0

 

健康日本21の基準の古さ

そうは言っても厚生労働省の「健康日本21」では「節度有る適度な飲酒」の量を純アルコールで1日20gとなっているじゃないか!と思う人もいるでしょう。
1日20gだと週に140gになるので、今回ご紹介した論文とは違っているのですが、実はこの1日20gという数値の元となったデータを見てみると全て1999年以前のもの。

残念ながら30年以上も前のデータを元に作成され、それから更新されていないのです。

「酒は百薬の長」「Good wine engenders goo blood」など世界中に適量の飲酒は健康をもたらすといった諺がありますが、毎日の飲酒を特別な日の楽しみに変えていった方がいいかもしれませんね。
特に1日6時間以上座っている人で毎日の飲酒が習慣になっている人は、早急に何らかの対策を取るようにしましょう。

1日6時間の座位×毎日の飲酒=早死に!とまでは言いませんが、人より早く不自由な体になる可能性が高くなりますよ。