「今期再々の寒波」最近、寒波が来る度に耳にしているような気がするほど、寒い日が続いていますね。

朝、目が覚めてもなかなか布団から出ることが出来ず、「まぁいっか。」と朝食よりも布団を選びたくなる人も少なくないのでは?

今年はインフルエンザもA型B型ともに猛威を振るっている上に、寒さで風邪をひく人も多いようです。
そんな中、風邪を引きやすい人の生活習慣についての研究発表がされていたので、ご紹介したいと思います。

1月13日~14日に開催された第52回日本成人病(生活習慣病)学会で神奈川県立保健福祉大学の柴田みち氏らが発表した研究結果によると風邪を引きやすい人の特徴は以下のようになっています。

(調査対象は健康診断で健康と診断された成人3万9524人)

〇BMI(肥満度)23.0~24.9の人が最も風邪をひきにくかった。
と言うことは現在、「最も健康的である。」とされているBMI22よりも、少し体重が多めの人の方が風邪をひきにくいと言うことになりますね。

BMIの算出法
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

〇血清ALT(GPT)
健康診断では肝臓の状態をチェックする項目。この数値が高いと非アルコール性脂肪肝が疑われますが、今回の調査では血清ALTが高い人ほど、風邪をひきやすかったとの結果が出ています。

〇血清HDLコレステロール
いわゆる「善玉コレステロール」と呼ばれるもの。
この数値が低い人ほど風邪をひきやすいとの結果が出ています。

〇生活習慣
生活習慣においては睡眠時間が5時間以下、運動習慣がない、食事が不規則である。
偏食が多い。アルコールについては全く飲まない人より、時々飲む。
こうした傾向の強い人ほど風邪をひきやすかったとのこと。

※偏食と好き嫌いは混同されがちですが、偏食とは栄養バランスの偏りを指し、例えば朝はパンとコーヒー、昼はラーメンのみ。夜は揚げ物とご飯。
これでも充分偏食になります。

 

毎回、こうした研究発表で体重ばかりがクローズアップされている事に疑問を感じます。
何故なら、同じ60kgでも体脂肪率が20%の人と30%の人では体の構成要素に大きな違いがあるからです。
いつも嫌がられますが、体脂肪率が30%ということは、体の三割が脂で出来ているという表現をしています。

そこに片目をつぶって今回の結果を見ても、血清ALTが高いということは食事において、糖質(ご飯、パン、麺類など)の割合が高い、もしくは甘いものをよく口にしていることが分かりますし、血清HDLコレステロールが低いのは魚類などの良質な油の摂取が少なく、揚げ物炒め物や肉類に含まれる脂質の摂取が多い事も読み取れます。

風邪をひくと自分のパフォーマンスの低下だけでなく、周囲への感染も考えなければならないので、風邪をひきやすい、1度ひいたらなかなか治らない。心当たりのある人は、マスクの常備よりも食事の内容や食事、睡眠、運動習慣など自身の生活習慣を見直すことが改善への近道でしょう。