先日、保育園で食育の講演をさせて頂いた時に、睡眠時間について聞いたところ、ほとんどの人が6時間の睡眠時間だと答えました。

参加者全員が女性だったため、同調傾向が強いというところを考慮しても深夜0時就寝、朝6時起床というのが標準的な睡眠時間のように感じました。そこで今回は睡眠時間と糖尿病リスクの関係についてご紹介します。

6.5時間未満の睡眠時間が糖尿病リスクを上げる

新潟大学の平安座氏らの研究によると、睡眠時間が7時間以上の人と比べ、5.5時間未満の人は1.53倍、6.5時間未満の人は1.25倍糖尿病にかかるリスクが高かったとのこと。
研究対象は非糖尿病の日本人3万8987人。
観察期間は8年間。

ただし60歳以上になると糖尿病発症リスクに対する短時間睡眠の影響は薄れたそうです。

Heianza Y, et al. Diabet Med. 2014 Jul 30. [Epub ahead of print]

糖尿病発症の前に起こるパフォーマンスの低下

睡眠時間が短いと食欲を抑制するレプチンというホルモンの分泌が減少し、代わりに食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加するので、前述の研究結果は当然の結果とも言えるのです。しかしグレリンの分泌が増加すると単に食欲が増すだけでなく、食べたくなるものが脂質と糖質が非常に多く含まれたものを欲するという特徴もあるのです。

量的に食べる量が増えるだけでなく、脂質や糖質の多いものを欲して食べると血糖値の乱高下を起こし眠気や集中力の低下や倦怠感を招き、即、パフォーマンスの低下に繋がってしまいます。

OECDの中でも最も睡眠時間が短い日本人

平均睡眠時間7.4時間と言われたら「まぁまぁ眠れてるんじゃない?」と思う人も多いでしょう。
しかしこの睡眠時間OECD諸国の中でも最も短い日本人の睡眠時間です。

そしてたった10年前と比較しても日本人の平均睡眠時間は37分も短くなっています。

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ちなみに20歳~79歳の11人に1人が糖尿病だと言われており、日本の糖尿病医療費は年間8兆円にも昇り世界第7位の糖尿病大国が日本です。
私が常々言っているのは「病気はなるまでは他人事、なったら大変な事」。

厳格な食事療法を今すぐ開始しろとは言いませんが、まずはしっかりと睡眠を取ることから始めて見てはいかがでしょうか。