私事ではありますが、2016年12月に「座りっぱなしがあなたの健康を蝕む 本当は怖いデスクワーク」を日本実業出版社より出版致しました。

当時の研究では1日の座位時間が8時間~11時間だと4時間未満の場合に比べて早期死亡リスクが14%上昇、11時間を超えると40%上昇と喫煙以上の死亡リスクがあると言われていましたが、最近の研究で6時間の座位時間でのリスク上昇が見られるとのことですので、ご紹介したいと思います。

 

1日当り6時間以上で死亡リスクが上昇

『American Journal of Epidemiology』(6月26日オンライン版)に発表された米国がん協会のAlpa Patel氏らの研究発表によると、1日の座位時間が6時間以上の人では3時間未満の人と比べて早期死亡リスクが19%高いとのこと。

http://pmc.carenet.com/?pmid=29947736

 

座りっぱなしで死亡リスクが上昇する14の疾患

またこの研究では座りっぱなしの生活で死亡リスクが高まる14の疾患についても明らかにされています。

① がん

② 心疾患

③ 脳卒中

④ 糖尿病

⑤ 腎疾患

⑥ 自殺

⑦ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

⑧ 肺疾患

⑨ 肝疾患

⑩ 消化器疾患

⑪ パーキンソン病

⑫ アルツハイマー病

⑬ 神経障害

⑭ 筋骨格系障害

 

以前から座りっぱなしの時間が長いと中性脂肪や血圧、血糖値、インスリン値が上昇することが指摘されていましたが、今回の研究ではこれまでよりも短い6時間の座りっぱなしでもそのリスクが高まることが分かったのです。

6時間と言えばデスクワーカーであれば、ごく普通である座位時間。

まだまだ予防意識の低い日本では、なかなか受け入れがたいことかもしれませんが慢性疾患のない男女12万7554人を21年間追跡調査した結果だと言われれば少し危機感が持てるかも知れませんね。

 

少なくとも1時間に1度は立ち上がりましょう。

 

同氏によると1時間座って過ごしたら2分立つだけでも早期死亡リスクを軽減することが出来るそうです。

朝、9時から12時のお昼休みまで座ったまま。昼休みが終わったらトイレに行く以外は座りっぱなし。

そろそろこまめに立つことを意識してはいかがでしょうか。

講演の時などによくする話ですが、多くの人は当選確率1000万分の1である宝くじを「自分が当たるかも!?」と購入することはあっても、2人に1人がガンにかかる時代と言われているのに「自分がガンにはならない。」と思っているのです。

病気になったら病院に行けばいい。
そんな時代はもう終わりに近づいていることに気づいて頂ければ幸いです。