企業でのストレスチェックが義務化されてから間もなく3年になります。
しかし実際のところ、このストレスチェックが行われたからと言ってストレスが軽減されたかと言えば、そうでもないのが実情かと思います。

そんな中、先月24日に気になる研究発表があったのでご紹介したいと思います。

長期にわたるストレスが脳にも影響

米ジョン・ホンプキンス大学医学部のJustin Echouffo-Tcheugui博士が脳とストレスに関する研究論文をNeurology(2018年10月24日号)に発表しています。
研究では認知症ではない2231人(平均年齢49歳)に対し心理学的試験と記憶・思考スキルに対するテストを実施し、同時に血液検査やMRI検査を行いました。

この調査で着目されたのは血液中のコルチゾール濃度です。
コルチゾールとは人がストレスを受けた際に副腎から分泌される抗ストレスホルモンとも呼ばれるもの。
そして今回の調査で血中のコルチゾール濃度が高い人は正常なコルチゾール濃度の人よりも記憶力及び思考力のテストで低いスコアを出したことが明らかになったのです。

更にコルチゾール濃度の人には脳の萎縮までも確認されたとのこと。

http://n.neurology.org/content/early/2018/10/24/WNL.0000000000006549

 

平均年齢49歳

この調査で私が気になったのは被験者の平均年齢が49歳であったこと。

働き盛りで充実したビジネスライフを過ごしている、過ごしていて欲しい年齢の人達にストレスによって脳がダメージを受けているということです。

以前からコルチゾール濃度の高い人は消化器系や皮膚に異常が起こりやすいことが分かっていましたが、それが脳にまで及ぶとなるとパフォーマンスに大きな影響を与えかねません。

 

リズミカルな行動を心がけましょう

まずは平日を休日の起床時間の差を1時間程度にすること。
普段寝不足が続いている人にとっては、休日に睡眠負債を返済しておきたいところですが、土日休みであれば、せめて土曜日の夜は夜更かしせずに早めの就寝を心がけて下さい。

 

またせっかくの行楽シーズンなので、自然を楽しみながら歩けるような休日プランを立てるのもいいでしょう。
そして歩くのと同じくリズミカルな行動の一つとして「よく噛むこと」もオススメです。

歩いたりよく噛んだりという行動は一定のリズムが脳に伝わり、セロトニンの分泌が促進されストレスが軽減されます。

コルチゾールの過剰分泌はさまざまな影響があるので、またの機会にご紹介したいと思います。