今回は日本では古くから言われている「雨が降ると古傷が痛む。」と言われていた気象病についてご紹介したいと思います。

頭痛持ちは天気予報が出来る!?

雨が降る前に必ず頭痛がするので、傘を持って家を出る。
頭痛だけでなく、腰痛や首の痛みなどでも天気予防が出来るという人のお話を数多く聞いてきました。

それは決して「気のせい」ではなく、実際に気象病という病名があり「天気痛外来」のある病院も存在するのです。

気象病の具体的な症状は、頭痛、膝痛、腰痛、古傷の痛み、気管支喘息の発作、めまいに抑うつ気分から脳卒中の発症までと多岐にわたります。

 

気圧が変動すると自律神経が反応する

ヒトの内耳の三半規管(前庭)には気圧センサーがあり、気圧が低くなると自律神経がストレス反応を起こし、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると体は緊張状態になって血圧が上がり心拍数が増えます。

通常、交感神経が優位な時にはアドレナリンの分泌が促進され興奮状態になるため、痛みを感じにくくなるのですが、慢性的な痛みについては交感神経が優位になると痛みが強くなるのです。
さらに気圧が低くなると体内の炎症反応を促進するヒスタミンの分泌量が増えるという指摘もあります。

 

気象病を和らげる5つのコツ

 

① 日記をつける
毎日の天気や気圧、体調を最低1ヶ月は記録する。
天気や気圧で体調に変化があることが自覚出来れば、「もしかしたら大きな病気かも知れない。」という不安が解消できます。
大病に対する不安もストレスとなり交感神経が優位となるため、痛みが酷くなる場合もあるので不安解消は大切です。

② 規則正しい生活をする
言う前もなく、睡眠や食事が不規則な生活は自律神経が乱れやすくなるため、就寝時間、起床時間、食事時間は規則正しくとりましょう。

③ 寝る前に首のストレッチをする
首の骨の横に大きな動脈があって、それが内耳の動脈につながっています。
したがって首の筋肉を緩めて血行を良くすることで内耳の血行も良くなるので頭痛やめまいが抑えられると言われています。
ストレッチは頭に手をあて優しく引っ張るように、首を上下左右に傾けそれぞれ8~10カウントするだけ。

④ 規則正しいリズムを刻む緩やかな運動をする。
例えばウォーキングや軽いジョギング、またはゆっくりとした水泳もいいでしょう。
こうした有酸素運動は心肺機能が上がり血圧が下がる上に、ストレス解消の作用もあるとされています。

⑤ 食事は意識して良く噛む。
良く噛んで食べると言う行為は、一定のリズムで脳に刺激が与えられます。
この刺激が自律神経を整えてくれるのです。
通常の食事は慌ただしくなかなか意識出来ないという人は間食にナッツを食べるのもいいでしょう。

天気や気圧の変動での体調不良は周囲に理解されにくく、「甘え」などと勘違いされてしまうこともありますよね。
そんなストレスを避けるためにも5つのコツを1つずつでも実践してみて下さい。

ちなみに天気予報を見ないと気圧が分からない。

自分の居住地域の気圧が分からない場合は「頭痛―る」という気象病対策アプリもあるようです。