今回は敢えて意地悪く睡眠についてのお話をご紹介したいと思います。

脳の発達が睡眠不足を作った!?

他の動物と比べて人間は体内時計からの縛りが緩く、本能である睡眠をある程度自由にコントロールすることが出来ます。
これは大脳皮質の発達が睡眠を含む行動パターンを多様化させてきたからに他なりません。

しかしこの高い自由度は睡眠不足による体調不良やパフォーマンスの低下の一因となっているのは言うまでもありませんね。

睡眠をお金に置き換えてみる

単に健康のためにと睡眠の話しをしてもピンこない人もいるでしょうから、今回は睡眠時間を金銭管理に置き換えてみたいと思います。
毎月、家計には家賃、通信費、光熱費、駐車場代など生活上定期的に発生する「固定費」というものがありますよね。

それに対して、交際費や習い事の費用、被服費、外食費など家計が厳しいときには削ることができる「変動費」というものがあります。

家計で考えるとお財布事情が厳しい時に最初に削ろうとするのが、こうした「変動費」のはず。

これを睡眠に当てはめると、誰しも眠らずには活動できないので、当然睡眠は「固定費」に分類されるものなのですが、「テレビが見たい」という「変動費」のために、睡眠という「固定費」から時間を取っているのが現状ではないでしょうか。

 

150年も前から睡眠の重要性が説かれていた

ニーチェやフロイトを始めとした多くの哲学者等に影響を与えたと言われるドイツの哲学者ショーペンハウアー(1788-1860年)は著書「幸福について 人生論」の中でこんなことを記しています。

・・・・・・・(以下、引用)・・・・・・・・・・・・・・・

〇「生は神からの借金であり、いずれは返済(永久の眠り=死)しなくてはならない。当座の利息である睡眠を多めに払えば、借金完済は少し先延ばしにされるだろう。」

〇「人にとっての睡眠は時計ならば『ぜんまいを巻く』ようなものだ。」

・・・・・・・・(引用、終わり)・・・・・・・・・・・・・・

 

睡眠負債は一括返済不可

毎日、1時間半の睡眠不足が5日続いたとしたら7.5時間も睡眠負債を抱えることになります。
通常の睡眠時間が7時間の人がプラス7.5時間眠ろうとしても眠れない、もしくは例えベッドの中にいても浅い眠りでダラダラと過ごす程度に留まってしまいます。

そう考えると睡眠負債という赤字を増やしていけば、いずれ破産(死)というものが近づいてきます。

それに加え、ストレス社会と呼ばれる今の時代背景や医療の発達を考えると、大きな睡眠負債を抱えてもすんなり眠るように息を引き取ることも出来ず、うつ病に悩まされたりアルツハイマー病になって周囲を巻き込むリスクさえ考えられます。

 

興奮状態を沈めてから就寝しましょう。

サッカー観戦で盛り上がり興奮状態のままベッドに入っても、なかなか寝付けないかと思います。
例えアルコールを摂りながらテレビを見ていたとしても入眠こそすんなり出来るものの、睡眠中に目が覚めたりアルコールの分解で肝臓がフル稼働しているため、睡眠自体の質が悪くなり、十分な休息が取れません。

そこで、興奮を静めるためにベッドに入る前に、ゆっくりと深呼吸することをオススメします。
特に「吐く」ことに意識を向けて深呼吸をすると副交感神経が刺激され、アルコールの力ではない自然な眠りに就くことができます。

ビールの飲み過ぎによる尿意の目覚めまでは、どうしようもないので悪しからず。