朝晩がずいぶん寒くなり、お布団が愛おしく感じるようになってきました。

目覚ましのスヌーズ機能フル活用の人も多いのではないでしょうか。
そうこうしているうちに時間がなくなりパンとコーヒーだけで朝食を済ます。ごく一般的な行動のようにも見えますが、実はこうした朝食が午後のパフォーマンスを下げているかも知れません。

そこで今回はセカンドミール効果についてご紹介します。

セカンドミール効果とは

1982年、カナダのトロント大学のジェンキンス博士によって提唱された概念で「1日の最初に摂る食事(first meal)が次に摂った食事(second meal)の後の血糖値にも影響を及ぼすというもの。
実はこのジェンキンス博士。今では一般的になっているGI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)の提唱者でもあり、血糖値のコントロールの重要性を謳っている博士です。

要は朝食にGI値の高いパンだけといった食事を摂ると、昼食後まで血糖値の急上昇急降下を招き、朝食に食物繊維などを多く含む食品を摂ると昼食後の血糖値の変化も緩やかになるというものです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6282105

 

血糖値の変化とパフォーマンス

血糖値が急上昇するとインスリンというホルモンが大量に分泌され、血糖値を一気に下げようとします。しかし体は低血糖のリスク対応のため今度は血糖値を上げようとノルアドレナリンというホルモンの分泌を促します。

血糖値が急上昇すると一時的には目が覚めたり、気分がスッキリしたりと脳の報酬系が刺激されていい気分になるのですが、インスリンの働きで血糖値が急降下を始めると集中力が低下します。
そしてノルアドレナリンが大量分泌されると感情のコントロールをしにくくなり無駄な不安やイライラを感じやすくなります。

気分の浮き沈みは当然、パフォーマンスの低下に直結することですよね。

 

ベジファーストを習慣化しましょう

血糖値の乱高下は気持ちの浮き沈みだけでなく、血管壁を傷つけ動脈硬化の一因ともなるので、食事はまず食物繊維の多い野菜や海藻、キノコ類から食べ次に肉や魚、卵、大豆などのタンパク質、そして最後にご飯やパン、麺などの炭水化物を摂る。この順番を習慣化することが食事によるパフォーマンスの低下を防ぐ最善の方法です。

そうは言っても朝から、そんなに食べる時間がない場合は前夜におにぎりを作って海苔を多めに巻いておく、出来ればご飯にもち麦や寒天を混ぜて炊く。
もち麦や海藻は食物繊維だけでなくビタミン・ミネラルを含んでいるので、そんな事からでも始めてみてはいかがでしょうか。

筆者もベジファーストを習慣化して20年になりますが、いつも話題になっては消えていくさまざまな○○ダイエットよりも、継続しやすく効果も体感出来ているように思います。