冬季オリンピックの開催ですっかり息を潜めてしまったインフルエンザ報道。

しかし現実的には未だインフルエンザの猛威は衰えず、皆さんの職場でもインフルエンザで欠勤している人も多いはず。

昔から「1月は行く、2月は逃げる。」などと言われるように、何かと忙しい時期でもあるので、発熱が落ち着いたから出勤出来る!?
その熱意が職場にインフルエンザを蔓延させてしまうかも知れません。

インフルエンザは呼吸するだけで感染する?

インフルエンザの感染と言えば、くしゃみや咳で飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染する「飛沫感染」とウイルスが付いたものを触ることで感染する「接触感染」だけだと思っていませんか?

実際に厚生労働省のインフルエンザ対策として推奨されているのも

① 咳エチケットの励行
② 外出後の手洗い
③ 適度な湿度の保持
④ 十分な休養とバランスの取れた栄養
⑤ 人混みや繁華街への外出を控える

となっています。

この時点で、④と⑤に関しては満員電車などでの通勤、ハードな仕事、慌ただしく摂る食事が日常になっている人にとっては実行が難しいと思われるかも知れませんね。

しかし米メリーランド環境衛生学教授のDonald Milton氏らの研究によると、呼吸をしているだけの時と、くしゃみをした場合の空気中のインフルエンザウイルスの検出量に今まで考えられていたほどの差はなかったとのこと。

 

感染予防はマスクと粘膜強化が鍵

 

日本ではインフルエンザの患者がマスクを使用することは「咳エチケット」の中で推奨されているものの、健康な人がマスクをすることを感染予防としてまだ推奨されていません。

しかし米ミシガン大学の研究で「何もしない」「マスクをする」「マスクをして手洗いも心がける」という3つのグループに分けて、インフルエンザの症状を起こさなかった人の割合、時間を調査したところ、2週目に入った頃から「何もしなかった」人達の発症率が高くなり、「マスクをした人」の発症の方が少なく、更に「マスクと手洗い」の人達の発症は少なくなっています。

https://academic.oup.com/jid/article/201/4/491/861190

粘膜の強化には緑黄色野菜と魚

ウイルスの侵入を防ぎ、入ってきたウイルスと免疫細胞が戦う場所が粘膜。その粘膜が弱っていたり、炎症を起こしていたりしたらウイルスの感染を防ぐことが出来ません。

そこで粘膜を強化するために必要なビタミンAや体内でビタミンAに変換されるカロテンなどの摂取を心がけるといいでしょう。
ビタミンAはうなぎやレバーに。カロテンはにんじんやほうれん草などの緑黄色野菜や海藻類に多く含まれます。

また粘膜の炎症を抑えるためにはアジ、サバやマグロ、鮭などに多く含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸などを意識して食べるようにするといいでしょう。

 

 

メンタル面では伊達マスク症候群などの問題も指摘されていますが、この時期はインフルエンザ対策としてマスクをした方がよさそうですね。