「あなたはいつ空を見上げましたか?」

私が良く講演で投げかける質問です。

もちろん「星に願いを」なんてロマンティックな話ではなく、下を向くか上を向くか?
それだけで思考が大きく左右されるというお話です。

頭の角度で思考が変わる?

うつ病の患者さんは肉体労働者よりもデスクワーカーに多いと言われています。

その要因の一つが下を向いている時間の長さ。下を向くと視野が狭くなりますよね。
これは視覚だけの問題ではなく、思考という観点から見ても視野が狭くなりがちです。

ここで一旦、画面から目を離して下を向いて、辛いこと、悲しいことを思い出してみて下さい。
スムーズに嫌な思い出が頭に蘇ってきませんか?

次に上を向いて辛いこと、悲しいことを思い出して下さい。
なかなか思いつかない、もしくは思い出しても過去のことだと割り切れたり「いい経験だった。」とポジティブな考えに変換されたのではないでしょうか。

うつむく時間が長いデスクワーカー

デスクワーカーはPCの画面を見たり、書類を見ないと仕事になりません。

PCのディスプレイは正面を見た時の視線の高さにありますか?
デスクトップPCであれば調節可能ですが、ノートPCを使用している場合は視線の高さに合わせることができないので、必然的にうつむくことになってしまいます。

その姿勢を1日何時間しているか考えたことはあるでしょうか。

そして通勤時。
時折、バスや電車で移動中に周囲を見ているとほとんどの人が下を向いてスマホやタブレットの画面を注視しています。
すなわち、下を向いているんですよね。

仕事で下を向きっぱなし、通勤時間も下を向く。これでは1日の大半を狭い視野の中で過ごすことになり、ストレスになるような嫌なことがあれば、ずっとその嫌な気分を引きずり、本来必要のない心配や不安まで抱えることになってしまいます。

「ぼう活」のススメ

数年前、「ぼう活」というものが少し話題になりました。
「何もせずにボーっとする時間を持つ」ことを推奨したものです。

仕事でPC画面を見つめ情報を脳に取り込み処理して、さらに思考を加えて入力する。
そして通勤時はスマホを見つめそこでも大量の情報を脳に取り込み取捨選択をしたり、ゲームであれば攻略法を考える。
これでは脳が休まる暇がありません。

しかも下を向いてばかりでは首の筋肉にも大きな負荷がかかり続け、首の凝りやストレートネックのリスクさえ高くなってしまいます。
通勤時にはスマホから目を離しボーっとする時間を過ごすだけでも、頭はうつむきから解放され、脳には休息が。

そして広くなった視野には自然の変化などリラックスできる要素が入ってくることでしょう。