“酷暑”という言葉が頻繁に使われた今年の夏。
九電では高齢者の熱中症対策として75歳以上の高齢者がいる家庭に対して8月9月の電気料金の割引プランが出されるなど、冷房の利用が欠かせない暑さが続いています。その一方、冷房のきいた室内と屋外の気温差は10度前後にもなるため、寒暖差疲労から今年の夏は肩こりが酷くなったり、それに伴い頭痛を訴える人も増加しています。
そこで今回はこの寒暖差疲労からの症状や対策をご紹介します。
夏の肩こりの多くは寒暖差が原因となる
この夏のように最高気温が40度前後になる日が多いと、室内の温度設定を27度、28度にしてもその気温差は10度を超えます。
通常、室内と屋外の温度差が5度あると体温調節を司る自律神経が乱れやすくなるとされているので10度以上の温度差は、かなり自律神経のバランスが乱れてしまい、寒暖差疲労が蓄積されていきます。
そしてその疲労はとても抜けにくく、肩こりや頭痛がひどくなりやすくなります。
そして人によっては怠さや食欲不振、冷えや下痢、ひどくなるとめまいや痺れといった症状も現れます。
夏の肩こり頭痛対策5つ
(1)暑い屋外から冷房のきいた室内に入ったら、汗をよく拭きカーデガンなどを1枚羽織る。冷えや下痢のある人はお腹から膝にかけてブランケットなどを掛けるといいでしょう。
(2)冷房のきいた室内では冷たい飲み物、食べ物を避け飲み物は常温または温かいものを摂るようにしましょう。ランチでオフィスから外に出て、店内に入ってすぐは体に残る暑さから冷たい麺類などを注文しがちですが、食事を始めるころになると体が冷えて寒さを感じながら、冷たいそうめんなどを食べることになる場合もあるので、ライムラグを考えて注文しましょう。
(3)デスクワークの場合、1時間に1度は背中や足を伸ばしたり、首のストレッチをするようにしましょう。
(4)夏はシャワーで!という人も多いようですが、首から肩の血行を良くするために38℃~40℃のぬるいお湯に首まで10分~15分つかりましょう。
(5)炭水化物のエネルギー代謝に必要なビタミンB1を多く含む、豚ヒレ肉、豚モモ肉を意識して摂りましょう。また頭痛、肩こりに加え冷え性や生理痛のある体力減退気味の人は「当帰芍薬散」、体力はあっても首や肩のこり、緊張型頭痛のある人は「葛根湯」など漢方薬が有効な場合もあります。
数年前の夏、暑いからとカフェに入って大盛りのかき氷を注文した知人が、かき氷を食べ始める頃に、店内の効き過ぎた冷房で寒くて食べられなかったことを思い出しました。
その時の気分よりも10分後の体感をちょっと想像する余裕を持ちたいですね。